目次
クセ毛の種類
クセ毛を3種類に分類し、クセ毛の種類を見分けて、適切な対処方法を見つけましょう!
波状毛
シスチン結合(S – S結合)が強く影響して起こるクセ
特徴
毛穴の形が曲がっている時、S – S結合が曲がった状態で固定されることで形成。シスチン結合は水の混入によって影響を受けない。
⇒ ウェット時もドライ時もクセが変わらない。
推奨還元方法
前処理で髪内部を膨潤させ、キューティクルをずらし、薬剤の浸透を上げる方法。
縮毛
固定部の曲がりと、コルテックスの局地的なムラをもつクセ
特徴
コルテックスがバイラテラル構造(オルトとパラが2分割した構造)をとっている。
縮毛は、毛根が頭皮に対して横向きに寝ており、かつ毛乳頭へ流れる血液が少なく、コルテックスが偏在しているため、このような2分割構造ができると推測される。
推奨還元方法
アルカリ度とpHを下げ、膨潤を抑えながらゆっくりと軟化・還元させる。上手くいかない場合は、前処理剤とダブル還元を組み合わせた方法を行う。
うねり毛
水素結合が強く影響し、起こるクセ
特徴
直毛では、髪の周りはパラコルテックスが、内部にオルトルテックスがあるのに対し、うねり毛では、髪の周りはオルトコルテックスがあり、内部にパラコルテックスが局在するという、コルテックスの偏りが生じている。
うねり毛は、ウェット時にクセが伸びる。
これは、水に濡れるとオルトコルテックスが膨潤するため。
推奨還元方法
ダブル還元。ダブル還元については下記をご覧ください。
コルテックスの偏りは、毛乳頭へ流れ込む血液量にムラがあると生じます。
例えば、血液量が多いコルテックスはパラ型に、血液量が少ないコルテックスはオルト型に熟成され、髪内部に硬い芯のようなパラコルテックスが局在することになります。
妊婦さんや貧血が続くとうねり毛になってしまう原因は、このためです。
例えば、血液量が多いコルテックスはパラ型に、血液量が少ないコルテックスはオルト型に熟成され、髪内部に硬い芯のようなパラコルテックスが局在することになります。
妊婦さんや貧血が続くとうねり毛になってしまう原因は、このためです。
波状毛に効果的。前処理で髪内部を膨潤させよう
前処理で髪内部を膨潤させ、キューティクルをずらし、薬剤の浸透を上げる方法。
⇒ 浸透性の向上には、NMF成分である尿素の水素破壊能力を利用して、髪を膨潤させるのが効果的。
撥水毛や硬い髪にも効果的。
ダメージを抑えて均一に還元するポイント
尿素系の前処理剤を塗布後、圧縮蒸気またはラップをして遠赤で加温し、コルテックスを膨潤させキューティクルをずらす。
縮毛の場合
前処理 + ダブル還元均等な軟化は難しい
⇩
薬剤の浸透を上げる。
+
S2切断後S1を還元。
各々に適する還元剤を用いる。
前処理推奨アイテム
リトルサイエンティスト ワクワクneo 浸透促進原液
美容・補修成分の毛髪内部への浸透性を向上させる処理剤。
ケラチンなどのPPTによるダメージ保護機能も併せ持つ。
特徴
毛髪内部への美容・補修成分の浸透性を向上させる処理剤です。加水分解ケラチンなどのPPTによって髪のダメージ保護機能も併せ持っています。
役割
薬剤の浸透性を上げる。
補修成分
- 尿素
- ラウロイルシルクアミノ酸Na
使用シーン
前処理
使用方法
目安として5倍に希釈して使用。
還元剤の種類と特徴
還元剤 | 分子量 | 還元効果の高い pH領域 |
還元箇所 |
---|---|---|---|
サルファイト | 126 | pH10 ~ 11 | S1 / キューティクル領域 |
チオグリコール酸 | 92 | pH7 ~ 9 | S1 / コルテックス領域 |
システイン | 121 | pH8 ~ 9 | S1 / キューティクル領域 |
システアミン | 77 | pH6 〜 9 | S2 / キューティクル領域・コルテックス領域 |
チオグリセリン | 108 | pH7 〜 10 | S2 / コルテックス領域 |
ブチロラクトンチオール | 118 | pH4 ~ 6 | S2 / キューティクル領域 |
GMT | 166 | pH4 〜 7.5 | S2 / キューティクル領域 (加温することでS1 / コルテックス領域にも作用) |
クセの種類に合った還元剤とアプローチ方法を選択し、よりダメージレスに施術をすることを心がけましょう。